LUCY/ルーシー

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『レオン』『ニキータ』『フィフス・エレメント』『ジャンヌ・ダルク』と強くて美しい女性の映画を撮ってきたリュック・ベッソンが新しいヒロインを誕生させる。『アベンジャーズ』シリーズで諜報機関S.H.I.E.L.D.のエージェント、ブラック・ウィドウを演じたスカーレット・ヨハンソンを主役に、人間の脳の隠された力と人類の進化を描く。

あらすじ

台湾に留学中のルーシーは1週間前に酒場で出会ったばかりの男に、あるアタッシュケースを渡されチャンという男に届けるように頼まれる。指定されたホテルのフロントでチャンを呼び出すルーシーだったが、黒服の男達に拉致されてしまう。ルーシーを待っていたのは韓国マフィアの大物チャンだった。チャンはアタッシュケースの中の袋に入った青い結晶を確認すると、ルーシーを眠らせる。

痛みに目を覚ましたルーシーの下腹部にはなぜか包帯が巻かれていた。チャンは先ほどの青い結晶、新種のドラッグCPH4をルーシーの腹の中に埋め込んだのだ。ドラッグの運び屋としてヨーロッパに渡らせるために。ルーシーは恐怖のあまりチャンの言いなりになるしか無かった。

倉庫に運び込まれたルーシーはマフィアを挑発したせいで、下っ端の男に暴行を受け腹部を何度も蹴られてしまう。その時、下腹部に埋め込まれたドラッグの袋が破裂してしまい、CPH4が体内へ拡散したルーシーに異変が起こり始めるのだった…。

感想

ルーシーの脳の覚醒度が20%、30%と増すにつれ、自分の身体のリミッターを外し超人的な力と、知能を発揮しはじめます。それは時間と共に進み、やがては人間を超越した存在になっていきます。

この覚醒度が進行するにつれて身につけていく能力は、初めは体術や記憶力などの脳の活性化によって超人的な能力が発揮されるという納得出来そうなものなのです。

しかしその内、電波を操ったり、原子を組み替えたり、人を宙に浮かせたりといわゆるサイキック能力を使い始めます。この辺りはツッコミどころ満載のとんでもSFなので科学的な説得力とかを求める人には向かない映画です。

予算の都合だと思うのですが、いろいろ詰め込んだ割にはどれも中途半端なシーンばかりだなという印象で、映画として物足りなさが残る平凡な映画だなという感想です。

『アベンジャーズ』の女スパイ、ブラック・ウィドウ役を演じたスカーレット・ヨハンソン主演なので、予告で観たアクションをもっとたっぷり見られるとばかり思っていたのですが、ガンアクションも格闘シーンもほとんど予告で出し切った様な感じです。

主人公が無敵過ぎることが物語を面白く無くしてますね。カーチェイスのシーンはリュック・ベッソンの十八番なので、なかなか見応えありましたが、それ以外は残念な感じでした。

もしこの作品が日本のアニメや漫画なら…

ルーシーは覚醒していくにつれて、どんどんと人間離れした能力を発揮し、迫り来る敵を圧倒する。しかし能力と引き換えに人間の感情を失っていく自分に絶望するルーシー。そんな戦いの中で偶然、相棒となった刑事との間に絆が生まれる。だが、ルーシーに残された時間は少なかった…。

みたいなストーリーになったんじゃ無いかと思うし、日本人受けするのはこういう脚本だと思いました。そうするとクライマックスが哲学的な表現だったりとんでもSFだったとしても、もう少し盛り上がったかもしれません。まぁ、覚醒したルーシーの目的は、自分をこんな体にしたマフィアへの復讐では無く「自分」を「残す」ことなので、結末としては納得なんですが。

人間が100%覚醒した結果がUSBメモリ1本という点にツッコミを入れているレビューを多く見かけましたが、あの中にルーシーのデータが入っているわけではなく、データにアクセスするためのOSやキーコードなんかが入ってるんだと解釈しました。

レビュー

ガンアクション、超能力、カースタント、種の進化、生命とは何かとか、分かりやすいものから、小難しいものまで盛りだくさんに詰め込まれてますので、頭を空っぽにして観ましょう。むしろ頭を空っぽにしないと、耐えられないかもしれません。

クライマックスの描写と結末の意味が分からない人と何と無く理解できた人がいると思いますが、少なくとも次の6つの作品の共通点が思い浮かぶ人は、この映画を理解できるでしょう。納得出来るかは別にして。

『NIGHT HEAD』
『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』
「エディプスの恋人」
「魔法少女まどかマギカ」
『劇場版 SPEC〜結〜』
『機動戦士ガンダムUC episode7「虹の彼方に」』

リュック・ベッソンは女優を撮ることだけは巧いのでスカーレット・ヨハンソンの魅力もたっぷりです。『フィフス・エレメント』のミラ・ジョボビッチ以来の美女が口から光線出すシーンがあるので、お楽しみに。

★★☆(2.5)

『LUCY/ルーシー』公式サイト