ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

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マーベルコミックスの同名作品を実写化したスペースオペラ。マーベル・スタジオズ制作の「マーベル・シネマティック・ユニバース」シリーズの10作目。『アベンジャーズ』と共通世界の物語。日本ではあまり知られていない俳優陣が多くキャスティングされている。主人公と故郷の地球を繋ぐ要素として70〜80年代の楽曲が多用されていて、物語を盛り上げる。

あらすじ

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1988年、幼くして母親を亡くした少年ピーター・クイル。死の間際、母親の手を握ることが出来なかった事を後悔し、病院を飛び出したところを謎の飛行物体が放つ光に吸い込まれてしまう。

26年後、成長したピーター・クイルは地球で彼を拉致した宇宙盗賊団ラヴェジャーズの一員となり、惑星モルグにいた。クイルは惑星モルグの廃墟で謎の球体「オーブ」を盗み出そうとしていたが、同じくそれを狙う異星人の妨害を受ける。オーブの奪取に成功したクイルだったが、横取りされた事を知ったラヴェジャーズの首領ヨンドゥの怒りを買い、付け狙われることになる。

クイルは惑星ザンダーでオーブを売り払おうと闇商人の元に持ち込むが、緑色の肌を持つ異星人ガモーラの襲撃を受ける。彼女は惑星モルグで妨害してきた異星人のロナンが送り込んだ暗殺者だった。ガモーラとのオーブの奪い合いを始め、街中で乱闘騒ぎを起こすクイル。そこにヨンドゥがクイルに賭けた懸賞金を狙った賞金稼ぎのロケット(アライグマ)とグルーと(樹木人間)の二人組が加わる。だが、4人は平和維持部隊ノバ・コーズに逮捕され、刑務所へと投獄されてしまうのだった。

感想

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クイル、ロナン、ヨンドゥ、ノバ・コーズの4つの勢力が入り乱れるストーリーなので、少しややこしいですが、簡単に言うと宇宙を滅ぼしかねない力を持った石「オーブ」争奪戦の中で5人のアウトローたちが銀河を守る物語です。

クライマックスの空中戦は『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』の冒頭の艦隊戦や『インデペンデンス・デイ』のドッグファイトを思わせ、その奥行きに引き込まれそうなCG映像です。それらに音楽が意外にマッチしてワクワクしました。あと、メカのデザインが全体的に好みで、敵の宇宙船も主人公の船も格好良いです。

ただの地球人である主人公ピーター・クイルに、周囲の宇宙人に勝る特徴が無くて、ヒーローとしての魅力に欠けます。母親が残したカセットテープを大事にしていること以外に、外見的な特徴や得意技、弱点などが欲しかったです。

魅力的なアメコミヒーローたちには苦悩や弱点が付き物です。例えば、『スーパーマン』なら自分の出自について悩みました。弱点はクリプトナイト。『スパイダーマン』なら叔父の死に傷つき、力と責任について悩みます。弱点は恋人ですかね。『X-MEN』はミュータントに対する差別に苦しみます。

母親との死別直後に宇宙人に誘拐されるという悲運の持ち主ではあるのですが、その辺りはほとんどフィーチャーされていないのでヒーロー要素としてはあまり役立っていません。また、スター・ロードという別名が何を指すのかいまいち分からず仕舞いでした。ラストで、クイルが実は特別な存在であるという事実が明らかになりますが、続編でその辺りに触れられるのでしょうか。

美人のヒロインがいないのも残念です。守りたくなる恋人でも強い女性でも良いのですが、ヒーロー映画にはやっぱり美人のヒロインが欲しいですね。最後に懐かしいおもちゃのようになるグルートが可愛いです。でもめっちゃ強いです。

レビュー

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予告編ではあまり惹かれなかったのですが、評判が良さそうでしたので観に行きました。期待してたより良かったです。魅力的なヒーローとヒロインに欠けますが、IMAX 3Dで観るのをおすすめしたい映像の美しさと面白さにあふれた1本です。次から次に畳み掛ける様な展開なので、長い上映時間ですが、最後まで止まること無くエンドロールまで突っ走るジェットコースターのような映画でした。

逃げたガモーラの妹ネビュラとスーパーヴィランのサノスが残っているので続編がある模様。主人公クイルの父親も出て来そうですし。『アヴェンジャーズ』と同じ世界の話みたいなので、いつか合流するんでしょうね。

★★★☆(3.5)

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』公式サイト

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