猿の惑星:新世紀 ライジング

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ピエール・ブールのSF小説を原作にした1968年公開の『猿の惑星』をリブートした『猿の惑星:創世記 ジェネシス』の続編。監督はルパート・ワイアットに代わって、『クローバーフィールド/HAKAISHA』『モールス』のマット・リーヴス。新しいキャストとして、ジェイソン・クラーク、ゲイリー・オールドマンが出演。本シリーズの主役、シーザー役はアンディ・サーキスが続投。『猿の惑星』へといたる?猿と人類の共存と対立の運命を描くSFスペクタクル。

あらすじ

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認知症治療薬112の実験投与を受けたチンパンジーの母親から産まれたシーザー。生まれながらにして高い知能を持っていたシーザーは、112の研究者であるウィルと家族同然の暮らしの中で自我に目覚めて行きます。

ある事件を境に人間への不信を募らせ、仲間の猿を率いて反乱を起こしたシーザーは人間社会との決別を決意します。それから10年後、サンフランシスコ郊外のセコイアの森に数千頭の猿達のコミュニティを構築したシーザーは指導者として、妻のコーネリア、息子のブルーアイズと平和な日々を送っていました。

その頃、人類は絶滅の危機に瀕していた。元々ウィルスである認知症治療薬112を改良した113の実験中のミス(『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』参照)により、バイオハザードが発生する。猿インフルエンザとして世界中に広まったために、抗体を持つわずかな人類を残して斜陽の一途をたどっていた。

ある日、シーザーの息子ブルーアイズが森で人間と遭遇した際に発砲を受ける。銃声を聞きつけ息子のもとに駆けつけるシーザーと数百頭の仲間の猿達。怯える人間達の中、マルコムは群れのリーダーであるシーザーに敵意がないことを告げ、森を去る。

廃墟となった都市部に森から逃げ帰ったマルコム達は、人類の復興を目指す生存者グループのリーダー、ドレイファスに猿の存在を報告する。彼らは外部との通信手段回復のために電力が必要で、森の奥にあるダムを再起動しようとしていたのだ。

一方、猿のコミュニティでは生き残った人類の存在に敵意を表す対立派と、人類との関わりを最小限に和解を目指す共存派に意見が分かれ始めていた。危機感を抱いたシーザーは群れを率いて、生き残った人間の元へと向かい、あるメッセージを伝えるのだった。

感想

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まず猿の文化が凄くて驚きました。コミュニティを作り、言葉で意思疎通を図り、道具と火を使い、馬に乗り、共同で狩を行う。原始人を超えたレベルに進歩しています。そしてそれがリアリティを持って迫ってくる感じです。猿のCGも猿を演じたキャストもすごい!

この映画を見ていると、人間は環境破壊や戦争より病気で滅びるのが先かもしれないなと思わされます。猿と人間のドラマにもSFと思えないリアリティがあり、映画の世界に引き込まれます。

人間と猿がお互いを怖れるのも、戦争したくないのも分かります。共存の道がどこかにあったはずなのに、過ちと行き違いのせいで、過酷な運命へと進むことになってしまいます。結局は人間も猿も同じなのだというのがこの映画を見て感じた一番の感想です。猿も人間も堕ちると同じになる。

その中にあって、シーザーは猿の指導者として成長し、表情がどんどん人間らしくなって行きます。特に目の表情は人間のそれです。人類を愚かだと思う感情を持ちながら、身近な人間から与えられた優しさが今の自分自身を形成していることを理解しているシーザーは、家族と仲間を守るために人類との共存を目指します。

「動く前に考えろ」

シーザーが息子のブルーアイズに言った言葉が、この映画の一番大切な部分だと思いました。

クライマックスはスパイダーマンかと思うような猿の動きを活かしたアクションシーンがあります。シチュエーション的に『スパイダーマン3』や、『アメイジング・スパイダーマン2』を彷彿とさせます。

ゲイリー・オールドマンは人類の復興を願う強い信念を持つ良い役なんですが、出番が少なくて勿体無い使い方でした。

レビュー

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必ず前作の『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』を復習してから観てください。そうでないと100%内容を理解することも楽しむことも難しいです。観たことあるという方も、直前に見直すことをお勧めします。

猿達の進化の先に行き着くのは、結局「人類」なのではないでしょうか?そのジレンマにシーザーがどう向き合うのか。それとも「猿」が「人類」を超えた存在となりうるのか?構想では何部作なのか分かりませんが、結末がまだ見えてきません。オリジナルを超える衝撃の結末が見られるのか楽しみです。

★★★★(4.0)

『猿の惑星:新世紀 ライジング』公式サイト