放送禁止 洗脳~邪悪なる鉄のイメージ~

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「事実を積み重ねることが必ずしも真実に結びつくとは限らない」を謳い文句に「ある事情で放送禁止となったVTRを再編集し放送する」という設定で作られたフェイク・ドキュメンタリー(モキュメンタリー)です。実在の人物や事象、データに基づいた解説を加える事でリアリティを持って視聴者に迫ります。

2003年4月1日の深夜に放送された第一作「放送禁止」は、その演出手法から、ドキュメンタリーと誤解する人が続出しました。二ヶ月後に放送された続く第二作「放送禁止2 ある呪われた大家族」も、映像の端々に隠された細かな伏線や謎を解読して行きながら試聴するスタイルで一部で話題となりました。

以降、カルト的な人気を博した本シリーズは6作目まで続き、2008年に『放送禁止 劇場版「密着68日 復讐執行人」』として公開、2009年には劇場版二作目『ニッポンの大家族 Saiko! The Large family 放送禁止 劇場版2』が公開されました。

それから5年、新たな新作が過去にシリーズ作と同様に長江俊和の監督・企画・構成・演出によって帰ってきました。

あらすじ

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心理セラピストの小田島霧花はある人物から洗脳を受けた元主婦の江上志麻子の脱洗脳を試みていた。ビデオジャーナリストであり、志麻子の友人でもある鷲巣みなみが、その様子をビデオカメラで取材ものがこの映像である。

以前の志麻子は、商社に務める夫と幼い息子の則夫と共に幸せな家庭を築いていました。しかし、ふとしたきっかけで知り合ったネットで人気のカリスマ主婦に心酔し始めます。

カリスマ主婦は志麻子を洗脳すると夫の浮気を疑わせ、離婚をさせます。次に傷心の志麻子と息子則夫の家に移り住んだカリスマ主婦は、更に志麻子の生活へと入り込み深く洗脳すると、志麻子の元夫から受け取った慰謝料と土地家屋を自分名義に書き換えさせます。そして志麻子から最愛の息子則夫をまでを奪おうとした直後に、カリスマ主婦は忽然と姿を消すのでした。

その半年後、江上志麻子の自宅で謎の火災が発生します。志麻子は一命を取り留めましたが、息子の則夫は幼い命を落としました。カリスマ主婦に受けた洗脳は解かれぬまま、事件を受け止めることも出来ない疲弊しきった志麻子。

心理セラピストの小田島霧花とビデオジャーナリストの鷲巣みなみは事件の謎を追いながら、志麻子を救うために脱洗脳へと挑むのでした。

感想

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シリーズのファンなら事実に辿り着くのは、割と簡単です。ただし、全てのヒントを見つけて読み解くのは難しいです。それでも過去の作品に比べると、難易度は低目で数も少なめに感じました。シリーズファンには物足りないかもしれません。

クライマックスで声を出しそうになるくらい驚きました。えっ?!えっ?!何が起こったの?!という感じです。ヒントから謎を解きながら観ていて、ある程度考えられる展開のパターンを予想していたのですが、全く予期しない展開でした。

ラストはこのシリーズには珍しい終わり方でした。ちょっと泣けます。逆にいつもの『放送禁止』らしい人間の恐怖とか、薄気味悪さ、後味の悪さといったものはすくなかった

このシリーズに、今後新作を作る余地があるのか分かりませんが、期待したいです。

レビュー

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本来なら映画館に行くことをお勧めする趣旨のブログなのですが、この映画は正直に言って映画館向きの作品ではありません。繰り返し観て謎を解いたり、視聴者と掲示板やツイッターでリアルタイムに意見交換をしたり、見終わった後に答え合わせをしたりといった事を楽しむ作品です。

もし私のように映画館で鑑賞するなら、予告編もしっかり観て行くのがお勧めです。予告編だけでも観終わった後なら気がつくヒントが山のようにあるので、勘のいい人ならすぐに事実に辿り付けるはずです。

正しい見方としては

・映像の隅々まで目を凝らすこと
・セリフの違和感を聞き逃さないこと
・不自然なカットは良く記憶すること

この3つに気をつけながら是非、『放送禁止』シリーズの演出と仕掛けを楽しんでください。最大のヒントはサブタイトルの中に隠されています。

とは言え、映画館では1度しか見られないので、DVDが発売されたら繰り返し見ることをお勧めします。隅々まで見直してください。

本作を映画館で観て興味をもった方は、TVシリーズ1作目からご覧になることをおすすめします。レンタルもされていますし、DVD BOXも発売されています。

★★★☆(3.5)

『放送禁止 洗脳~邪悪なる鉄のイメージ~』公式サイト