『インセプション』『ダークナイト』シリーズのクリストファー・ノーラン最新作。人類を救うために壮大な未知の宇宙へと旅立ったパイロットとその娘の絆を描いた物語。主演はマシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ。音楽はハンス・ジマー。
あらすじ
地球全土で砂嵐が巻き起こる異常気象が頻発し、人類は食糧難による人口の現象、経済危機などの問題に直面していた。
アメリカの田舎町でクーパーはトウモロコシ農場を営みながら、10歳の娘マーフ、15歳の息子トム、亡くした妻の父の4人で暮らしていた。ある日、クーパーはマーフの通う学校から面談のため呼び出しを受けた。
マーフはとても賢い子供ではあったが、学校で父親が使っていた古い教科書を同級生に見せたことが問題とされていた。古い教科書には月面着陸に関する内容が掲載されており、それを捏造だとする国家の学習指導要領にそぐわないからだ。そんな娘を賞賛したため教師と衝突してしまいマーフは停学処分となってしまった。
マーフの停学を良いことに、クーパーは家族を連れて近所の球場で草野球観戦をして家族の時間を楽しんでいた。するとグラウンドに警報が鳴り響き、空一面を覆う砂嵐がすぐそこまで近づいていた。
辺り一面砂嵐で薄暗くなり数m先も見えない視界の中、急いで帰宅したクーパー達は帰宅すると、砂が入り込まないように自宅の窓やドアを確認して回った。しかしその時、クーパーは2階のマーフの部屋で不可思議な現象を目の当たりにするのだった。
感想
娘のために自分を犠牲にして、人類が移住できる星を探して前人未到の世界へと旅立つ宇宙飛行士の父親。そして、その父親と時空を超えて繋がる娘の決して諦めない2人が人類の未来へと挑む物語です。
すごい映画を観た。まずそう思いました。想像を遥かに超えるスケールです。2014年は残り1ヶ月ありますが、今年の最高の一本となりそうです。IMAXで見るべき映画です。上映時間が3時間近くあるので、ものすごく疲れますがもう一度観たい映画です。
時空を超越する父と娘の壮大な愛と絆の物語です。映像、脚本、音響、どれを取ってもこんな映画、観たことがありません。観客に常に新しい体験をさせるノーランのポリシーが詰まった作品と言えます。
人類を襲う異常気象、異星での過酷すぎる気象、時間との戦い、宇宙船内での人間関係、絶望的な状況下での孤独、危機的状況での緊迫感、未知の空間での絶望感など、肩の力を抜けないシーンの連続です。
『インターステラー』はリアリティの強い、いわゆるハードSFと呼ばれる作品となっています。ワームホール、ブラックホール、重力異常、特異点、異次元、相対性理論などSF作品によく登場する科学的な単語がよく登場しますが、それらに関する説明的なセリフなどは殆どありません。物語の発端となる地球の異常気象についても原因の説明などは全くありません。
なので、そういう知識のない方にはとても難しい作品かもしれません。ですが、少しでもSFの知識を持ち合わせていれば、その映像表現に圧倒されるんじゃないでしょうか。
革新的な映像表現と共に、父娘の人間ドラマも見どころです。主人公クーパーの父の強さと対比するように描かれる周囲の人間の弱さが印象的でした。
それと、ハンス・ジマーの音楽は今回あまり印象が無いのですが、音響がかなり印象的でした。爆発の衝撃をスピーカーの音響が作り出す空気の振動を通して感じるようになっていました。最近、4D映画館が各所に増えていますが、映画館のシートや体が振動するほどの音でした。IMAXだから出来る事でしょうか。
最後のシーンで、結末まで描かず余韻を残すあたりが、憎いなと感じました。
レビュー
地球の危機と父の娘の絆をテーマにしたSFと言えばブルース・ウィリス主演の『アルマゲドン』が真っ先に思い浮かびますが、文字通りそれとは比べられない“次元”の作品です。
未知の存在からの接触をきっかけに宇宙へ旅立つSFものだとジョディ・フォスター主演の『コンタクト』も思い出します。『コンタクト』ではクライマックスの見せ場だったワームホールのシーンが、本作では序盤で登場したのにはスケールの大きさを感じました。
日本のアニメにも同じような題材を扱った作品が複数あるので、興味をもった方は探してみてください。
クライマックスの急展開には理解が追いつかず、思わず混乱する方もいると思いますが、ストーリーに集中して観ることをおすすめします。
マーフの少女時代を演じたマッケンジー・フォイがものすごい美少女なので、エマ・ワトソンのように奇麗に成長してくれたらと願うばかりですw
★★★★☆(4.5)
監督 | クリストファー・ノーラン |
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出演 | マシュー・マコノヒー アン・ハサウェイ ジェシカ・チャステイン |
上映時間 | 169分 |
エンドロール | おまけ映像なし |