退屈な毎日を送っていた高校生が不条理なゲームに巻き込まれていくソリッドシチュエーションサバイバル映画。主人公の高畑瞬役に福士蒼汰。ヒロイン秋元いちか役に東宝シンデレラ出身の山崎紘菜。その他、神木隆之介、染谷将太などの若手俳優も出演。らR+15。週刊少年マガジンで連載中の同名の少年漫画を三池崇史が実写化。
あらすじ
ごく普通の高校生、高畑瞬は退屈な毎日を怠惰に過ごしていたが、心の中でいつも刺激を求めていた。
毎日の退屈な日々に嫌気がさしていたごく普通の高校生高畑瞬。その日もいつもと変わらず登校し、いつもと変わらない授業を受けている日常の風景のはずだった。しかし退屈な日常は破られる。授業を行っていた教師の頭が突然吹き飛ぶと同時に教壇に現れた関西弁を喋る達磨。悲鳴をあげ泣き叫ぶ生徒達の中、その達磨は突然「ダルマさんが転んだ」を始めた。
それは死の遊戯の始まりだった。達磨が振り返った時に動いた生徒は次々と頭が吹き飛んで行った。生徒達がやっと状況を理解した時にはすでに多くの犠牲者が出ていた。達磨の背中についているスイッチとカウントダウンされる残り時間僅かのタイマー。最後に残った髙畑とサタケの2人は協力してスイッチを押すことに成功した。しかし生き残ったのはスイッチを押した髙畑1人だった。はじめから生き残れるのは1人だけのゲームだったのだ。
茫然自失となる瞬。そこに幼馴染のいつきが駆け込んできた。他のクラスも同様のゲームをさせられた、偶然生き残ったのだ。状況が分からず混乱する2人に達磨が語りかけた。「もうすぐネコがやって来るぞ」と。
感想
『王様ゲーム』と『GANTZ』と『バトルロワイヤル』『LIAR GAME』『未来日記』を足して6で割ったような映画です。日本古来の子供の遊びになぞらえた不条理な殺人ゲームは、謎解きや攻略法がテレビゲーム的。『CUBE』や『ソウ』のようなソリッドシチュエーションサスペンス映画に遠く及びません。まるで、子供騙しです。
不条理の中にも最低限のルールが必要だし、嘘ついたら死ぬなんて遊びはそもそもないので、原作時点のアイデア自体に苦し紛れな感じがします。主人公達のルールの穴のつき方にも知性を感じません。そもそも、冒頭で怠惰で非道徳な人格を描いておきながら、主人公が体力、知力、想像力になぜ優れているのか全く分からないし、その辺りの説明も説得力もありません。
各ゲームに登場するキャラクターの声優にタレントや俳優を起用。達磨のトミーズ雅、こけしのダチョウ倶楽部、白熊の山崎努などはなかなかハマってたと思いますが、招きネコの前田敦子だけは違和感が半端なかったです。
福士蒼汰の神木隆之介、染谷将太など人気・実力派の若手俳優がたくさん出演してます。高瀬翔子役の女優さんが可愛かったですが、あまちゃんの小野寺ちゃん役の子だとは全く気が付きませんでした。
東宝シンデレラの山崎紘菜も可愛いです。東宝系列の映画館で映画を見ると、予告編に必ず登場しててよく見てましたが随分と垢抜けたもんです。ただ、マンガに合わせたのでしょうが金髪にする必要なかったんじゃないでしょうか。長澤まさみのように大物になれるか注目。
最初のダルマさんが転んだのシーンの血糊の代わりに赤いビー玉をばら撒いたのは良かったです。血が滑ってうまく動けないのを、必要以上に血まみれにして残酷なシーンになりすぎずに表現できてました。
染谷演じるサタケをもう少し見たかったですが、尺が足りないですかね。
レビュー
カタルシスもないし、これからどうなるのかのワクワク感もないし、ゲームに対する腹落ち感もないしで見終わった後、全く釈然としない感じです。
リリー・フランキーと大森南朋の役の意味が分からなかったんですが、続編があるんでしょうね。
あと、映画のタイトルを完全に「ダルマさんが殺した」だと思ってました。チラシのクリエイティブに問題あるんじゃないですかね?
★★☆(2.5)
監督 | 三池崇史 |
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出演 | 福士蒼汰 山崎紘菜 神木隆之介 |
上映時間 | 117分 |
エンドロール | おまけ映像なし |