東村アキコ原作の少女漫画を能年玲奈と菅田将暉主演で映画化。お洒落とは無縁のヲタク女子と女装男子が夢をかなえるために奮闘するシンデレラストーリー。個性的なキャラクターが集まるアパートの住人を池脇千鶴、太田莉菜、篠原ともえ、馬場園梓らが演じる。
あらすじ
一人の地味なヲタク女子、海月(つきみ)はお洒落な若者で溢れる渋谷を、大好きなクラゲの写真展を見るために、勇気を出して歩いていた。だが、眩しすぎるお洒落な同世代若者達の視線に耐えられず、天水館へと逃げ帰ってきた海月。天水館は男子との接点の無い非リア充なヲタク女子達、自称「尼〜ず」が暮らす男子禁制のアパート。
彼女達は親の仕送りや、同じ天水館に住むBL漫画家のアシスタントをしてなんとか食いつなぎながら、それぞれのヲタク趣味に没頭する自堕落な毎日を送っていた。海月もイラストレーターを目指して上京してきたが、
貧しい生活を送っていた。
ある日の夜、海月は行きつけのペットショップへと足を運んだ。大好きなタコクラゲを見るために。だが、お気に入りのタコクラゲの水槽には、相性の悪いミズクラゲが一緒に入れられてた。タコクラゲを助けるために勇気を出した海月はペットショップのお洒落な店員に話しかける。だが人見知りでコミュニケーション下手が災いして、店員から変質者と間違われお店を追い出されてしまう。
そんな海月とタコクラゲをたまたま通りがかったきれいな女性が店員に掛けあって助けてくれる。翌朝、ベッドの中で目覚めた海月は昨晩のきれいな女性が部屋に寝ていることに驚くが、実は彼女が「彼」だったことに更に驚くのだった。
感想
少女漫画原作映画にありがちなコミカル演出ですが、変に寒くならずに上手くハマっていたと思います。キャラの濃いヲタク達が力を合わせて自分達の居場所を守るために力を合わせて奮闘し、そこに少々漫画らしく淡くもうつろう恋心が絡んでくるハートフル青春コメディです。
「大切なものは何もしなければいつかなくなるから自分の手で掴み取れ。」というメッセージの込められたストーリーなのですが、天水館の面々のキャラクターやヲタク技能が存分に発揮されるようなシーンがもう少しあっても良かったかなという印象です。
池脇千鶴は割と早い段階で気がついたけど、篠原ともえはエンドロールまで気がつきませんでした。三国志ヲタクが秘密の花園を解放した時にもっとギャップのある人なら良かったのに。
冒頭で「お姫様どころか腐ってしまいました」という主人公のモノローグがありましたが、BL(ボーイズラブ)作家のアシスタントをしているだけで、それ以上の描写はなかったので、本来の意味から考えると違和感を感じました。
レビュー
中高生や普段少女漫画を読む若い世代の女性にはオススメです。
原作は未読なので、ファンの人がどう感じるか分かりませんが、基本的にコメディ演出でストーリーもキャラクターも漫画的なので、そういうものと思って観ると楽しめます。実際、劇場でも笑い声が聞こえてきましたし。ただ、クライマックスに招いたピンチが、あまりにもくだらなくて醒めてしまいましたが。
クライマックスのシーンでは『ランウェイ☆ビート』を思い出しました。
★★★☆(3.5)
監督 | 川村泰祐 |
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出演 | 能年玲奈 菅田将暉 長谷川博己 |
上映時間 | 126分 |
エンドロール | おまけ映像なし |