突然変異した4匹のカメがニューヨークの平和を守るために活躍するアクション・エンターテイメント映画。日本でもアニメが子供に人気を博したアメコミの「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ」が原作。過去に何度もアニメ化や実写映画化され大ヒットした同作品をを誕生30周年の2014年にマイケル・ベイ製作で再び実写映画化。主演は『トランスフォーマー』『トランスフォーマー/リベンジ』のミーガン・フォックス。
あらすじ
銀のハイテク甲冑に身を包んだ謎の男シュレッダーを首領とする犯罪組織フット団が、ニューヨークの平和を脅かす日々が続いていた。そんなニューヨーク市警の署長は大企業サックス社と協力してフット団の壊滅に取り組むことを宣言するのであった。
地元テレビ局、チャンネル6のリポーターのエイプリルはスクープをものにするため、港で起こった有毒な化学物質の強奪事件とフット団の関連を調べていた。
ある夜、エイプリルが一人で港を取材しているとフット団の犯罪現場に遭遇する。スマホで証拠映像を撮影しようにも光量不足。局に撮影クルーを依頼するも相手にされなかったエイプリルは単独で、犯罪現場へと乗り込む。
そこへ謎の人影が現れる。巨大なコンテナを振り回し、フット団の戦闘員を次々と海へと投げ飛ばす謎のヒーローを眼にする。撤退を余儀なくされたフット団。エイプリルは謎のヒーローを撮影しようとするが、彼は「家門」という謎のサインを残して姿を消してしまう。
次の朝、エイプリルは上司に謎のヒーローの存在を話すが、証拠写真一枚なく相手にされない。
一方、フット団は謎のヒーローをおびき寄せるため、地下鉄駅の構内で乗客を人質に爆破テロを起こす。偶然近くに居合わせたエイプリルも人質となってしまう。だがその時、証明が消え暗闇の中謎のヒーローたちが現れて、一瞬でフット団をのしてしまう。
だが、すぐにダクトを使って姿を消してしまう彼ら。エイプリルは謎のヒーローを追ってビルの屋上へ。そこには大きな甲羅を背負った人とは思えない4匹の生き物がいた…。
感想
ハリウッドのネタ切れを感じました。テロの方法が『アメイジング・スパイダーマン』や『バットマン ビギンズ』と被ります。全身シルバーのハイテク甲冑を纏ったヴィラン、シュレッダーも『ウルヴァリン SAMURAI』と被ってます。
タートルズは攻守や移動に甲羅を大いに活かしてて、アクションのアイデアとして面白かったです。中でも雪山の直滑降シーンはスピード感があって面白い。顔や手足を引っ込めるという亀の特徴を活かしたアクションシーンがあっても良かったですね。
アニメ同様にタートルズのキャラクターがよく出てました。もっと個々の武器特有の得意技や特徴を見せてくれると、さらの楽しめたと思います。あと「ニンジャ」と名乗ってますが、実際には忍者の体術というより、中国武術に近い印象です。日本刀のレオナルド武具も含めて。
一方でヴィランが魅力に欠けるので、そこが映画全体のパワーのなさに繋がっています。
まとめ
『トランス・フォーマー』で見せたミーガン・フォックスの色気を控えめにしたのは、この映画が子供、または親子連れをターゲットにしているからでしょう。それなら日本での公開を冬休みか春休みに合わせるべきだったと思います。
アメコミヒーローにありがちな、重いテーマも一切無し。親子、友達、カップルで気軽に見られる映画です。映画全体のノリ的には吹替の方が楽しめそうです。ただ、タートルズの師匠でありネズミのスプリンター役を演じたカンニング竹山が合っていませんでした。『スターウォーズ』シリーズのヨーダの様な枯れた感じが欲しかったです。
ちなみに辞書などには「タートル」はウミガメと記されていることが多いですが、本作の変異する前の彼らはミドリガメだったと思われます。
有名な「カワバンガ(Cowabunga)」という彼らが口にする聞きなれない言葉ですが、「やったぜ!」など、あらゆる驚きの表現を意味する言葉だそうです。劇中でこの言葉が何度か発せられますが、クライマックスで敵に立ち向かっていくシーンのそれは、もし訳すとすれば「うぉー!」「行くぞー!」「やるぞー!」「くらえー!」とかそう言う自らを鼓舞するための掛け声のような使い方でした。
★★★☆(3.5)
製作 | マイケル・ベイ |
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監督 | ジョナサン・リーベスマン |
出演 | ミーガン・フォックス ウィル・アーネット ウィリアム・フィクトナー |
上映時間 | 101分 |
エンドロール | おまけ映像なし |