ドラゴンボールZ 復活の「F」

国民的人気少年漫画の劇場版アニメ最新作。前作『ドラゴンボールZ 神と神』から2年、原作者の鳥山明がマキシマム・ザ・ホルモンの曲にインスパイアされて、自ら初めて脚本を手掛けた今作。原作の中でも抜群の個性と凶悪さを誇ったフリーザが復活し、孫悟空に復讐するためにパワーアップを遂げ地球へと来襲するストーリー。壮絶なバトルシーン満載で連載当時のファンから、その子供たち世代まで幅広く楽しめる一本。

あらすじ

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フリーザの死後、フリーザ軍を指揮していた参謀司令ソルベは、軍の再興のためにドラゴンボールを使ってフリーザを復活させるべく、部下にナメック星人の住む星を探索させていたが見つけられずにいた。

軍の衰退に危機感を抱いたソルベは、それまで避けていた地球のドラゴンボールを集めに向かう。ソルベはすでにピラフ一味が集めていた6つのドラゴンボールを奪い、海底深くに沈んでいた最後の1つを合わせてシェンロンを呼び出し、フリーザを復活させます。

だが、トランクスにバラバラに切り刻まれて死んだフリーザは魂だけが蘇り、肉体はバラバラのまま。ソルベは母船へとフリーザの肉体を持ち帰り、蘇生マシーンでフリーザの肉体を再生。復活したフリーザは孫悟空への復讐を誓い、スーパーサイヤ人を超えるためにトレーニングを宣言する。

数ヶ月後、地球に飛来した一隻の小型宇宙船がカプセルコーポレーションの敷地へと着陸。宇宙船の中から降り立ったのは地球担当の銀河パトロール隊員ジャコだった。

感想

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悟空とフリーザのバトルはナメック星での闘いをパワーアップして凝縮させた濃縮版です。

ストーリーは考察が必要だったりすることは一切なく、小学生にも分かるほど単純です。なるほど!な感心ポイントも感動するような布石もないですが、原作やアニメをリアルタイムで観ていた世代は、間違いなくナメック星の闘いを意図的に再現してることに気づいて、熱くなれるのではないでしょうか。

前回に比べると尺稼ぎ的なコメディシーンは少なめでアクションシーンがたっぷりあります。悟天とトランクスの子供2人が登場しないため、主にブルマとカメオ出演の銀河パトロール隊員のジャコがコメディリリーフを担当してます。

フリーザは原作の中で最凶純粋悪の魅力的なヒールです。セルはサイヤ人の細胞を取り入れたため「強さ」を求める傾向があり、ブウは無邪気に「破壊」を求める性質がありましたが、フリーザは「勝ち」にこだわるキャラクター。とにかくどんな手を使ってでも勝つという徹底した主義が印象的です。

そんな性質は変わらないまま、ゴールデンフリーザへとパワーアップを遂げ、当時の技の強化版を繰り出してくるので、当時の熱い記憶が新たに上書きされます。ただ、一方でパワーアップはしていても「成長」はしていなかったため、当時と変わらず同じミスを犯し、同じ手で一発逆転を狙います。

新キャラクターのタゴマとシサミがザーボンとドドリアレベルというような形容のセリフがありましたが、神と融合し、ナメック星編当時よりはるかにパワーアップしたピッコロと対等に戦ってたので、手抜きなキャラクターデザインに似合わず、相当強いキャラクターでした。

1つ気になったのは、悟空が空中から地上にいるフリーザに向かってかめはめ波を放ったシーン。セル編の同様のシーンでは瞬間移動を使ってセルの裏をかきましたが、今回は大きな違和感がありました。どういうつもりで鳥山明があの脚本にしたのか、気になります。

亀仙人があそこまでたたかえるのは確かにフリーザ軍の戦力落ちすぎ。あれならヤムチャと餃子も戦力になったはず。ましてや、トランクスと悟天がいれば楽勝だったけど、尺が伸びるから、登場キャラクターがいたずらにい多くないのは正解でした。

田中真弓さん演じるクリリンの劇中初登場シーンでの声がルフィにしか聞こえなくて、戸惑いました。一方で古川登志夫さん演じるピッコロの声は同じワンピースのキャラクター、エースには聞こえないあたり、演じ分けが上手いなと感じました。

出番が少なすぎて、皆口裕子さんがビーデル役で復活してたのには気が付きませんでした。78歳の野沢雅子さんが今もあの声を出せるのはすごいです。

残念だったのは、戦闘力のインフラに映像表現が追いついておらず、基本的にテレビシリーズの頃と変わっていない点です。フリーザは金色になり、悟空は黄色(超サイヤ人)、赤(超サイヤ人ゴッド)ときて、青い髪に変身して、サイヤ人のよく分からないステージへと進化します。

が、スピードが速くなれば見えなくなり、パワーが上がれば、破壊のダメージが大きくなるという見せ方一辺倒。ドラゴンボールという人気の作品だからこそ、革新的なバトル演出を期待したかったです。

まとめ

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3Dで見る意味はほとんどありません。2Dで見ましょう。

バトルシーンは熱くなれる一方で、ふとしたきっかけで悟空やフリーザを圧倒的に凌ぐビルスやウイスの存在があるために、スケール感を感じません。フリーザがどんなに進化しても、ナメック星編のような底知れぬ恐怖を味わえなかったのは残念でした。

★★★☆(3.5)

『ドラゴンボールZ 復活の「F」』公式サイト

原作・脚本・キャラクターデザイン鳥山明
監督・作画監督山室直儀
出演野沢雅子
山寺宏一
森田成一
堀川りょう
古川登志夫
田中真弓
鶴ひろみ
上映時間93分
エンドロールおまけ映像あり

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ネタバレ

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二つ目の願いでフリーザの身体を元に戻せば良いのにと誰もが思ったはずですが、そこはフリーザの強大な気にピッコロや悟飯が気がつかないストーリにつじつまを合わせるためでしょう。

ベジータがフリーザにトドメを刺す脚本もありでした。フリーザの孫悟空への復讐にスポットが当たってますが、実はベジータもフリーザに故郷の星を破壊され、一度殺されてる身。復讐心はあったはずなので、そういうストーリー展開で決着をつけるのも意外性があって良かったかなと思います。

ビルスの星で修行中の悟空は、ウイスに油断癖を指摘されます。実際、天下一武道会の決勝戦でピッコロに肩を撃ち抜かれた時も、ナメック星でフリーザに星を破壊されたのも、ブウ編でベジータに背後から殴られて気絶したのも油断のせい。実は昔からあまり成長しておらず、本編をずっと読んでいたファンなら思わず頷いてしまう悟空の弱点を、ここに来て改めて指摘してるのはいい脚本だなと思いました。

もちろん、その「気付き」がクライマックスで悟空を都合よく成長させるなんて安易な展開にはならない辺りが鳥山明ぽくて好きです。

それどころか、ナメック星で星を破壊しようとしたフリーザの性分を知ってるはずなのに、情けをかけて同じ過ちを繰り返してしまいます。悟空の甘さが抜けないのもまた、悟空が愛されるキャラクターの理由なんでしょう。

ウィルスの「やり直し」によって3分前に戻れる能力には
・3分前までしか戻れない。
・一度使うとしばらく使えない
などの設定を後付けした方が今後、続編を作る際には良さそうです。

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